「文化のあかりを灯したい」
創業38年の古本屋「古書てんとうふ」は郡山市に立地。
店主の熊谷鶴三さんは、二十歳そこそこの学生時代から古本の仕事をはじめました。
現在、福島県古書籍商組合の組合長を務めていらっしゃいます。
ふりだしは、東京の古書店「紅谷書店」にて10年間の修行。
文学書を中心に古本屋のノウハウを学びました。
昭和59年、郡山駅前で「古書てんとうふ」の第一号店を開店。
熊谷さんは開店当時のことをふり返ります。
「東北新幹線が開業し、人の動きが活発になる!」
「これからを担う受験生たちに、赤本などの過去問題集を精力的に販売」
「ときには、漫画本も販売」
「少年雑誌や月刊誌の付録も人気だった」
「『ちり紙交換』業者さんとも懇意に取引し、あまりお目にかからない古本をおおいに発掘した」
郡山駅前のお店は、毎日、多くのお客様が熊谷さんの選書にくぎ付け。
その後、第二号店を郡山市池ノ台に出店するまでに成長しました。
第二号店は、1階と2階を広く使うスタイル。
お客様は、ゆったりと、ゆっくりと好みを本を探すことができ、業績を伸ばします。
現在は、郡山市安積の店舗にて営業をしています。
店の名前とした「てんとうふ」
「てんとうふ(点灯夫)」とは、明治時代にガス灯に火を灯した人夫のことです。
「文化のあかりを灯す」想いから、「てんとうふ」と名付けました。
熊谷さんは語ります。
「古本屋は、本を売るだけではなく、文化事業を行う店」
「本を通じ、次世代へ文化の灯りで照らす」
このコンセプトを守り続けながら店を続けています。
古本屋間で「本」を交換する「市」を、かつて福島県でも実施していました。
しかし、「競り」における発声による感染を防ぐため、まだ中止されたままになっています。
県組合主催の「市」を開くことは、「福島の古本屋を活性化させる」源にもなるし、ひいては「福島の文化をつなげる」古本屋の原点を推し進めることになる。
そして、「市」でつながる古本屋の絆は、会津ブックフェアのような即売会でその力を発揮し、福島のみなさんへ多様な古本をご覧いただくことにつながると信じて疑いとおっしゃられます。
「これからは『市』の再興に向け行動する」と、福島県の古本屋を先頭に立って牽引してゆく力強い姿が印象的でした。
会津ブックフェアにおいでになるお客様へ
「てんとうふの従業員には会津出身者が多く、会津にはゆかりがあります」
「会津には古本屋が少ない」
「会津ブックフェアをきっかけに、会津で古本屋をひらく人が出てくればいいなと感じます」
「会津の郷土史にかかわる本を多く出品したい」
会津への想いをふつふつと思い浮かべながら、会津ブックフェアに出品する本を吟味する楽しい時間を過ごしています。
福島県郡山市安積町荒井字柴宮29-7
TEL 024-947-1466
店舗営業日 :木・金・土曜日
営業時間:AM10:00~PM6:00
駐車場2台有